アルゼンチンで認知度100%の衝撃事件を映画化し

アルゼンチンで認知度100%の衝撃事件を映画化し、本国で国内映画史の記録をぬり変え社会現象化した衝撃作『エル・クラン』がいよいよ9月17日より公開された。映画館は満席が続出し、日本でも大反響を呼んでいるようだ。http://yakiu.com/modules/d3forum/index.php?post_id=61
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『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』を手がけたスペインの鬼才ペドロ・アルモドバルが製作し、監督をつとめたアルゼンチンの俊英パブロ・トラペロがヴェネツィア国際映画祭で最優秀監督賞となる銀獅子賞を受賞した本作で描かれるのは、一家総出の犯罪稼業だ。軍事独裁政権崩壊によって、無職になってしまった元エリート一家のプッチオ家が父親アルキメデスを中心に"身代金ビジネス"に手を染める様が映し出される。

「映画化にあたっての改変はなし!」とプロデューサーが断言する本作の制作にあたって、トラペロ監督は、プッチオ家の近隣住民や判事へのインタビュー、膨大な紙資料などへのリサーチを綿密に行った。その中で監督は新たな真実を掘り起こしたことを明かす。「アルキメデスは劇中の誘拐事件以前からアルゼンチンが直面したさまざまな時代において常に人を誘拐する人生を送ってきたと言えるんだ」なんと、アルキメデスに余罪が多数あったというのだ。

監督はさらに「たとえば74年~76年の最後のペロン政権時代。彼はトリプルA(アルゼンチン反共同盟)の一員だった。トリプルAは国の組織で、はじめて政治目的で誘拐を行った組織だ。…
76年以降の軍事政権下でもアルキメデスは軍のために同じことを行った。ニュースで報じられる軍事政権下での政治的迫害のための誘拐、殺害のことだ」と衝撃の事実をさらりと語る。

続けて、「軍事政権が終わり、民主化に移行してからも彼は諜報機関の一員として同じことを続けた。諜報機関の仕事はどの国でも合法と非合法の線引き、公式と非公式の線引きが微妙だ。米国でいうCIAのような、どの国にもある諜報機関の仕事だが、民主化した後、彼は諜報機関の一員だった。諜報員は闇の仕事をし、偽の人格を持っている。諜報員が行う仕事が、一般の人のためのものなのか、一部の人のためなのかはわからない。彼にはあくまでも"仕事"であるという認識で、きっと悪いことだという意識なく誘拐を繰り返していたんだ」と述べている。劇中では、まるで日常の延長であるかのように実行されていく凶行の数々だが、実際の犯罪も、あくまで仕事の延長として罪の意識なく行われていたのでは、と思わされてしまう...。

本作を既に観た人は膝打ち必至の新事実。まだ観ていない人も、恐怖の大黒柱・アルキメデスの過去に注目してみるとより一層深く本作を楽しめること間違いなしだ!

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